2018.10.3

「お客様は神様」ではありません

つぶやき


「ぼくね、小学生の女の子に
土下座したことあるんですよ」

数年前、食材の宅配で
毎週自宅に来てくださっていた
業者さんから聞いたお話です。

私は、その業者さん(Aさん)から
食材を受け取る際
時間があるときは玄関先でよく
立ち話をしていました。
「今日はいい天気ですね~」などの
たわいもない会話でしたが。

どんな話題から
土下座の話につながったのかは
覚えていません。
ただ、とにかく衝撃的な内容だったので
今もときどき思い出します。

Aさんの前職は、
某大手の引っ越し業者だったそうです。

現場をはじめ、営業など
様々な業務をこなしたのち
Aさんが配属されたのは、
顧客からのクレームに対応する
部署でした。

前任の方が心の病気になり
仕事に来られなくなったため、
Aさんが急きょ穴埋めで入ることに
なったそうです。

クレーム対応は
想像を絶する激務でした。
アルバイトや社員が
現場で起こしたミスを謝罪するため、
顧客の自宅へ出向く毎日が
続いていたそうです。

ある日、Aさんが謝罪に向かったのは
「アルバイトの若い男性が、
小学生の女の子用の家具を運搬中に
誤って落とし、家具の脚が折れてしまった」
という、顧客の自宅でした。

Aさんは、心から謝罪しましたが
女の子の母親の怒りは
まったく収まりませんでした。

それどころか、Aさんに
「娘に土下座してよ!」と
要求したそうです。

Aさんは、女の子に土下座しました。
会社の責任を一身に負って。

……その場面を想像しただけで、
胸が締め付けられる思いがしました。

本当に、大切な家具だったのだと
思います。

また、そこまで
母親が激怒した理由は
他にもあったのかもしれません。
(たとえば、家具を壊した張本人の
アルバイトの態度が
あまり良くなかった、とか)

しかし。
顧客だからといって、
土下座を求める行為をしても
よいものでしょうか。

Aさんに土下座してもらって、
その母親はスッキリしたのでしょうか。

もしかしたら、怒りの本当の原因は
「家具が壊れたこと」ではなかったのでは
ないでしょうか。

そして、女の子は
自分の目の前で、大人の男性が
土下座する姿を見て
一体何を思ったのでしょう。

幾重にも重なる、闇を感じました。

「お客さまは神様です」
三波春夫さんの、有名な言葉です。

ところで、
その言葉に含まれる「お客様」とは
飲食店などでサービスを受ける
お客様のことではないそうです。
ご存じでしたか?

(詳細は、三波春夫さんの
公式ホームページに載っています)

三波春夫さんの本意ではない使い方が
一人歩きしてしまった結果、
「お客様は神様のように
ありがたい存在なのだから、
店側はお客様の言うことを
全て聞かねばならない」というような
誤った意味合いに取られがちに
なってしまったとか。

つまり。

アホなクレーマーが店員に言いそうな
「『お客様は神様』だろう!土下座しろ!!」
という使い方は
大・大・大間違い!!!なのです。

私は、
「お客様は神様ではない」
そう思っています。

お店は、商品やサービスを提供する。
お客さんは、お金を払う。
ただそれだけの、対等でシンプルな関係です。
どちらがエライ、というのはありません。

もちろん、お金を出して
提供してもらった商品やサービスに
欠陥やミスがあったならば、
それをお店側に伝えることは大事です。

実際、我が家も数年前に引っ越した際
引っ越し業者との間で
トラブルが起こった経験があります。

某大手の引っ越し業者だったのですが、
我が家の冷蔵庫の表面に
大きな穴を開けられました。
(運搬時、誤ってどこかにぶつけたようです)

引っ越し業者の担当者の方は
「弁償します」と
おっしゃってくださったのですが、
その後、数か月連絡を待ってみても
まったく音沙汰がありませんでした。

らちが明かないので、
こちらから引っ越し業者に何度か電話して
進捗状況を尋ねました。

しかし、その都度はぐらかされました。
「担当者不在なので、
折り返しご連絡します」と言われたきり、
まったく連絡が来なかったり。

そこで、やむを得ず
消費生活センターに相談して
間に入っていただいた結果、
やっと弁償していただくことができました。
解決するまで、半年以上かかりました。

そういう事例もあるので、
決して泣き寝入りはしてはいけない。
そう思っています。

ただし、明らかにお店側にミスがあったとしても
顧客側は、冷静に、淡々と
手続きを進めたほうがよいです。
怒りの感情をはさんでも、何もいいことはありません。

だから、土下座を強要するのは
やっぱり、どこをどう考えても
私は解せません。

「お金を出したんだから、客の自分は
何をやったっていいんだ」
そんなわけはありません。

私たちは人間です。
「心」があります。

顧客とお店の関係は
対等でシンプルですが、
お互いに
「気持ちよく、あたたかい対応」を
意識したほうが
何事もスムーズに進みます。

顧客として、商品やサービスを受けるときは
「商品(サービス)を提供してくれて
ありがとうございます」
という気持ちをもつこと。

それを忘れては、いけないのです。



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